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遺産分割協議がまとまらない

お亡くなりになられた方(被相続人)の遺産分割については,相続人の皆様全員が納得されて,気持ちよく合意して解決されることが一番ですが,なかなか上手くいかないことも多いかと思います。

被相続人と生前にどのようにかかわってきたかは相続人毎に異なり,そのため,被相続人に対する思いやこだわりなどに関しては各相続人で温度差があるのが普通です。

そのため,それまでは仲が悪かったというわけではないものの,遺産分割の話合いの際のちょっとしたすれ違いから感情的に対立し,険悪な関係になってしまって,まとまるものもまとまらなくなってしまったというお話を聞くことがあります。

また,相続人間での遺産分割協議がまとまらない状況ではあるけれど,できれば,家庭裁判所に遺産分割調停を起こすようなことはしたくないというお話も聞くことがあります。

当事者間で話合いできなければ,家庭裁判所に調停申立てをするしかないのでしょうか?

ちょっと待ってください!相続人間での遺産分割協議をまとめることを目指してみませんか?

調停申立ての前に,一旦冷静になって考えていただきたいことについてご説明いたします。

1.なぜ,遺産分割協議がまとまらないのでしょうか?

遺産分割協議がまとまらない理由は,各々の相続で状況は異なりますので,それこそ千差万別ですと言わざるを得ませんが,主な理由としては以下のようなものが考えられます。

(1)相続人同士の仲が良くなく,当事者だけでの話合いが難しい。

単純に普段から親子や兄弟間の仲が悪いために話合いができないというケースもあるでしょうし,一部の方が遠方に住んでいる,家を飛び出した等の理由で,日頃相続人間の交流がなくほとんど話ができないというケースもあり,このような場合には,そもそも話合いの席に着いてもらえない可能性があります。

また,異父(異母)兄弟がいたり,婚外子がいるような場合には,相続人各々が相手を認めようとしなかったり,相続人間で対立が激しくなりがちで,話合いにならない場合もあります。

(2)各相続人の要求が食い違いすぎる。

単純に互いの要求がぶつかっているだけというケースもあるでしょうし,ほとんどの相続人が法定相続分の取得で納得している中で一部の相続人だけが法定相続分以上の取得を求めるため,話合いがまとまらないというケースもあります。

また,被相続人の事業を手伝ってきた,被相続人の介護を一手に引き受けてきた等,被相続人とのかかわりが強い相続人が,多くの割合を取得することを主張し,他の相続人がそのことを否定したり,自分と被相続人のかかわり合いを主張することで,意見がかみ合わないままになってしまうケースも見られます。

(3)遺産を分けづらい。

例えば,遺産は自宅不動産とわずかな預金だけであるが,相続人は5人いるというような場合に,自宅不動産をどのように分けるか,代償金をどうするか等の方針が決まらないというケースや,地方の山林や空き家等,相続人同士が互いに欲しがらないような遺産が多い場合に,互いに要らない遺産の押し付け合いになってしまい,話合いがまとまらないというケースが見られます。

(4)相続人ではない人が,話をひっかき回してしまう。

兄弟間の話し合いで当人同士だけであればそれほど揉めていなかったのに,各々の配偶者や子ども,親戚等が口を出してきて,相続人間で合意できそうな話をひっくり返されてしまったというケースや,互いに譲りあっている相続人に対して,周りが法律上の権利を譲る必要はないと強硬に主張するように仕向け,結果的に話し合いが振出しに戻ってしまったというケースは,よく聞くところです。

2.当事者間での遺産分割協議をするときに,心がけるべきことを教えてください。

(1)話合いをまとめるという意識を持つ。

当事者間で遺産分割協議をする際には,遺産分割協議がまとまらない理由を十分理解したうえで,そうならないように的確に対処して話合いをまとめることを目指す必要があります。

感情的な言い争いに終始してしまい実質的な話ができない,話がもめそうになってきたので先送りしてしまう,自分が全て取り仕切り自分の主張を押し付けるだけで他の意見を聞き入れようとしない,逆に誰も主導権を取ることなく各々がダラダラと自分の主張を繰り返すことに終始する等のことが続けば,話合いはまとまらず,いつまで経っても実際に遺産を取得することはできません。

遺産分割協議は,相続放棄等と違っていつまでに完了させなければならないという期限はありません。
相続税申告の際の軽減措置が受けられないことや,実際に遺産を取得して利用できない等という不利益はありますが,期限内に協議ができなければ,その後遺産分割協議ができなくなるというようなことはありません。
だからといって解決しないままで放置しておいてよいというものでもありません。

当事者間で遺産分割協議をするのであれば,必ず話合いをまとめて解決するという意識をもって,場合によっては,自分がまとめ役を買って出るくらいのつもりで話合いに臨む必要があるものと思ってください。

(2)冷静に話し合う。

被相続人への思いや生前のかかわり合い方等が相続人毎に違いますので,遺産分割協議の席ではどうしても感情的な対立が起こりがちです。

他の相続人から,自分が被相続人に対して親身になって世話をしてきたのに,他の人はろくにかかわりもしなかった等と言われてしまうと,そんなことはない,自分のほうがより親身になっていたと反論したくなるのは,気持ちとしてはよくわかります。
しかしながら,そこでお互いに相手を全否定してしまうような言い方をすると,感情的な言い合いになって,お互いに頭に血が上ってしまい,冷静な話合いをつづけることは望めません。

そこで,相手の立場に立って事実がどうであったか,第三者が話を聞いていたらどう判断するだろうかということを念頭において判断して,相手の言うことにも一理あると思うことができれば,相手を認めたうえで自分の主張をすることができます。

このように,相手の立場から考えてみる,第三者であればどう思うかという視点に立ってみる等,常に冷静に話し合うという意識をもって,話合いに臨むべきです。

(3)客観的な視点に立つ。

相続人によっては遺産がたくさんある,又はわずかしかないと思いこんでいる人もいますし,感情的になるとどうしても主観が先行してしまい,思い込みに基づいて理不尽な主張をしてしまうこともあります。

そこで,遺産に関しては,財産調査をきちんと行い,各種証明書等の客観的な資料を基に遺産目録を作成してください。

客観的にどの程度の遺産があるのかということを認識できれば,互いに譲歩できたり,冷静に判断できる可能性が高くなります。

また,生前に沢山のお金を出してもらっていた等という話や被相続人の生活の面倒を見た,被相続人の事業を手伝ってきた等という話は「特別受益」や「寄与分」という法的に認められた権利に該当するかどうかという内容になります。
そこで,法的に認められるものかどうかという視点から話を進めることができれば,単なる感情論ではなく,法律に基づいて冷静に判断することができることにつながります。

3.当事者間での遺産分割協議をするときにとり得る方法には,どういうものがありますか?

(1)専門家に相談する。

当事者間で遺産分割の話合いをしようと思うのであれば,まずは,弁護士等の専門家にご相談ください。

相続に精通している弁護士等の専門家であれば,普通であればほとんど経験しない相続の話を数多く取り扱ってきていますので,経験上からのアドバイスや法的なアドバイスを受けることが可能となります。

特に,法的に主張が認められるものかどうか,このことがハッキリするだけでも,単なる感情的な言い争いを避けることができることにつながります。

同じ否定をするのであっても,相手の主張を感情的に否定するのではなく,気持ちは分かるが法的には認められないものであると否定されるほうが,相手も冷静に判断できることになります。

また,相続でもめている話は友人にも相談しづらいことでしょうが,弁護士等の専門家であれば守秘義務もありますので安心して話をすることができます。
何より,事前に話を聞いてもらうことによるストレスの軽減と対応方法のアドバイスを受けることで,自信をもって話合いに臨めるというメリットは大きいものと思います。

(2)調整役(まとめ役)をかって出る。

事前に専門家に相談したうえで,話合いに臨むのであれば,できれば調整役(まとめ役)をかって出ることをお勧めします。

調整役を引き受けることになれば,自分の主張は控えめにして,他の相続人の主張を聞いて互いの譲歩を引き出せないかを中心に話合いに参加することになりますので,自分の利益は減ってしまうことにつながりかねません。
それでも,自分の主張を控え目にすることに納得できるとおっしゃるのであれば,客観的な立場に立って話合いを進めていくことができることにつながり,結果として,早期に合意に至ることができる可能性が高くなります。

(3)専門家に立会いを依頼する。

調整役をかって出ることは厳しい,または自分一人では上手くやる自信がないとおっしゃるのであれば,弁護士等の専門家に話し合いに立ち会ってもらう,又は弁護士の事務所に相続人全員に集まってもらい,専門家立会いの下で話合いをされることをお勧めします。

法律の専門家が立ち会うことで,法的に通らない話はできないという意識が働き,自分勝手な主張が控えられる効果があります。
さらには,第三者が立ち会うことで,他人の目を意識して感情的な言い合いになることも避けられることにつながります。

また,話合いの中で,法的なアドバイスを求めることもできますし,第三者の客観的な視点から法律的にも妥当な合意案を提示してもらうことも可能です。

さらには,合意に至れば,そのまま遺産分割協議書の作成やその後の分割手続を依頼することも可能ですので,遺産分割に伴う面倒な手続を任せることができるメリットもあります。

4.それでも,話合いがまとまりそうになければ,弁護士に依頼しましょう。

以上,相続人間での遺産分割協議を成立させるための方法について,ご説明してきました。

できることならば,その後の家族関係のこと等を考えると,多少譲歩したとしても,当事者(相続人)間で遺産分割協議の合意に至るほうが,絶対にお勧めできるものです。

とは言うものの,他の相続人の理不尽な要求に応じなければならない義務はありませんし,必要以上に譲歩することを勧めるものでもありません。

そこで,どうしても納得できない,合意できないというのであれば,次の段階としては,遺産分割の調停を申し立てることを考えてもらう必要が出てきます。

遺産分割の調停では,家庭裁判所において直接他の相続人と話し合うのではなく,調停委員という第三者を間に介して話合いをすることになります。
そのため,ご本人で申し立てられたとしても,単に相続人間で顔を突き合わせて話合いをすることとは違うやり方を取ることになり,冷静に話を進めやすいという点で合意に至る可能性は十分にあります。

しかしながら,当事者間で合意に至らない理由として,いわゆる名義預金のように他人名義の資産を遺産に含めるかどうか等遺産の範囲に争いがあるような場合や,一部の相続人が被相続人の財産を勝手に処分していた場合等,遺産分割調停では原則として取り扱えない内容が含まれているような場合には,弁護士に依頼して調停手続の進め方を含めた方針を検討しておくほうが今後の手続をスムーズに進めることができます。

また,調停の際に話を取りまとめる調停委員は法律の専門家でない委員の方が多いものですので,特別受益や寄与分等,民法で認められた権利を主張できるかという点や,調停での話合いに関しての主張は,弁護士が法的根拠に基づいた主張をすることでより説得力を持つものとなります。

なお,遺産分割調停の申立ては,自分1人が申立人で,他の相続人は全員相手方となるのですが,弁護士に依頼して調停申立てをする場合には,同じ意向の相続人同士が1人の弁護士を代理人として,調停の手続を進めることも可能ですし,弁護士に委任すれば,調停期日に毎回参加しなくても弁護士が出席して手続を進めてくれます。

以上の理由から,遺産分割調停を申し立てるのであれば,最初から弁護士にご相談されることをお勧めします。

5.遺産分割協議がまとまらないとお悩みでいらっしゃるのでしたら,相続に強い大阪・難波(なんば)・堺市の弁護士法人法律事務所ロイヤーズ・ハイに

遺産分割協議は,当事者間の話合いで合意に至るようにすることが一番ですが,当事者だけではどうしても感情的になってしまうと悩まれる方もいらっしゃるかと思います。

なるべく,調停等にならないように早期に解決したいと思われるのでしたら,相続に強い大阪・難波(なんば)・堺市の法律事務所ロイヤーズ・ハイにご相談ください。

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