相続税の申告が進まない
相続に関しては,皆さま経験されることがほとんどないものですので,実際に手続が必要となった場合や気になられたという場合に,様々なご相談やご質問をいただくことがあります。
特に相続税に関しては,相続税がかかるのだろうか,相続税は税率が高いので心配であるという話をよくお聞きします。
ここでは,相続税の申告と遺産分割協議の関係について,一般的な内容をご説明いたします。
1.相続税の申告のことが分りません。最低限知っておくべきことを教えてください。
相続税が課税される可能性があり,なおかつ,遺産分割協議がすんなりといかないであろうと予想されるような場合には,相続税の申告のことも心配の種となられることと思います。
まず,相続税が課税されるかどうかについては,相続財産額が基礎控除額以上ある場合に,基礎控除額を差し引いた金額に対して課税されます。
基礎控除額は,3000万円+(600万円×法定相続人の数)で計算されます。
つまり,法定相続人が1人であれば3600万円以下,2人であれば相続財産が4200万円以下であれば,相続税は課税されないのです。
ですから,最初に,相続財産額が基礎控除額を超えるかどうかを確認しますが,不動産の評価に関しては,単純に路線価で算出できるものではありません。
そのため,不動産がある場合には,勝手に評価をしてしまうと,誤った計算になってしまう可能性がありますので,明らかに基礎控除額を下回るという場合でなければ,相続税に強い税理士に評価してもらうほうが安心です。
次に,基礎控除額以上に相続財産があることが明らかになった場合には,被相続人の死亡時から10か月以内に相続税の申告(申告書の提出と現金での納付を併せて申告といいます。)を済ませなければなりません。
この期限内に相続税の申告がなされなければ,重加算税等のペナルティが科されることになります。
相続税の申告に関しては,遺産分割協議が成立していれば,その協議内容の割合に従って納税が必要となりますし,遺産分割協議が成立していない場合には,法定相続分で相続したと仮定して計算した金額を仮申告して納税しなければなりません。
また,配偶者の特例等の軽減措置等は,仮申告の場合には一切認められません。
なお,仮申告の際に,「申告期限後3年以内の分割見込書」を提出する,3年経過しても遺産分割協議が成立しない場合には,「遺産が未分割であることについてやむを得ない事由がある旨の承認申請書」を提出することで,後日,遺産分割協議が成立した際に修正申告をすれば,特例を適用することができ,仮申告の際に過納付した相続税について還付を受けることは可能です。
しかしながら,仮申告の際には,一旦,法定相続分で相続したとして計算した金額を現金で納付しないといけませんので,資金的な手当が必要となってしまいます。
以上の点は,遺産分割協議を行う際に相続税の申告が必要な場合には,必ず押さえておいて欲しいことです。
2.遺産分割協議が進まず,相続税の申告も進まないのですが,どうすればよいでしょうか?
相続税の申告をしなければならないと思われるのであれば,早急に税理士に相談すべきものですが,その前提となる遺産分割協議がまとまらない可能性があるような場合には,まずは弁護士にご相談ください。
遺産分割協議が成立しない理由が,細かい点での相続人間での行き違いであれば,弁護士が間に入り,法的な根拠等を示すことで,すんなりとまとまる可能性も高くなります。
10か月という期間は,あっという間に経ってしまいます。悩まれている時間的余裕はありません。
まずは,遺産分割協議を速やかに成立させ,10か月の期限内に相続税の申告を済まされる方向で,話を進めるべきです。
しかしながら,どうしても,期限内には遺産分割協議が成立しないという場合には,仮申告の手続を取ることになりますので,弁護士と税理士と連携して,手続を進めていく必要があります。
当事務所は,相続税に強い税理士と提携しておりますので,遺産分割協議の点と相続税の申告の両面で,よりよい方法をご提案できますので,速やかにご相談ください。
なお,相続税の配偶者特例等の軽減措置を利用するために,一旦,遺産分割協議を成立したことにして,相続税の申告を済ませ,その後,改めて遺産分割協議をやり直そうと考えられる方がいらっしゃるかもしれません。
しかし,一旦成立した遺産分割協議をやり直した場合には,最初の協議で財産を取得した方からの贈与とみなされてしまう可能性があり,その場合には,贈与税が課せられることになりかねませんので,そのような方法を取られることは絶対にお勧めできません。
3.遺産分割協議がまとまらず,相続税の申告が進まないとおっしゃるのであれば,相続に強い大阪・難波(なんば)・堺市の弁護士法人法律事務所ロイヤーズ・ハイに
相続税の申告が必要なケースで,遺産分割協議がまとまらず相続税の申告が進まないと気になられるのであれば,弁護士と税理士が連携して話を進めていかなければなりません。
当事務所は,相続税に強い税理士と提携しておりますので,遺産分割協議の点と相続税の申告の両面で,よりよい方法をご提案できますので,速やかにご相談ください。
遺産分割協議がまとまらず,相続税の申告が進まないとおっしゃるのであれば,相続に強い大阪・難波(なんば)・堺市の弁護士法人法律事務所ロイヤーズ・ハイにご相談ください。